2013年07月09日
登呂博物館の元学芸員・稲森さんが以前、こう言った。
「石器ってすごいんですよ、石をこう削いでいく。この技術は鉄器が出てきたら、なくなっちゃうんです。ぼくら、手の技術、落ちてると思うんですよ。」
弥生時代の土器を見た時、弥生人は土の性質をよくわかっているなと思ったけれど、石器についても同じだ。はっきり言って、破壊力学を熟知している。60度の角度で、石に力を加える。打点をどこにすると割れるか考え、その繰り返しで石をナイフのように薄く、尖らせていく。家族にひとり、これができなきゃいけなかったってコト。
うん、技術と素材の話。
技術に関しては、人の、この身体にしか残せないと思ってる。紙に記すだけじゃ、残せない。