本原玲子 | motoharareico

2011年2月13日(日)

中学の時だった。
育ちゃんのお母さんが
「玲子ちゃんのおばさんは足が悪くて、大変ね」と。
「え?足わるくないよ」と私は答えた。
その晩、
「悦ちゃん、足わるくないよね?」と母に聞くと、
「え?足、ひいてるじゃん。アンタ気がついてなかったの!?」
「…」「いつから?」
「ウチに来た時から。」

そのあと、彼女に会うと、自分はいったい何を見ていたのか?と唖然としてしまうほど、悦ちゃんの足は不自由だった。母の弟のところへ華奢なお嫁さんが来たのは、私が小学校低学年の頃。小さな身体に、目がぱちっとしたきれいな彼女が私の叔母になった。

ヒトを印象づけているものって何なのだろう?

大学の時、毎晩バイトが終わってから、うちに遊びに来たさかぎしさん。なぜかロンドンも同時期に滞在していた。
おしゃべりな彼、時々もういいよって思うけど、アタマが良くてチャーミングな彼のことが大好きだ。
帰国後しばらくして、彼と電話で話していた時、
「オレなんか、ぜったい結婚できないと思ってるから」
「え?なんで?」
「だって、娘さんをくださいって、こんな首カクカクってやってたら、イヤでしょう?」
「なにが?」
「え?だってオレ、チックだからさぁ。」
「……」
「え?なに、玲ちゃん分かってなかったの?」
「癖だと思ってた。」
「えーっ。オレ、もうビートたけしが出てきた時、びっくりしたもん。わっ、チックなのにテレビ出てる」って。

いったい、私はどこを見ているんだろう?

さかぎしさんは今、二児の父。分かっちゃいないと思うけど、私が最も信頼している3人のうちのひとり。

一度、母の弟つまり叔父と夜、歩いてたとき、
「玲子、おまえはこの人のためなら、なんでもする。ってそう思ったことあるか?」と聞いた。「そんなの、まだない。」「おれは、悦子のためならなんでもする」たぶん、わたし中学か高校で、なんで叔父は私にあんなこと、言ったんだか。

そんなことがね。
こないだのBBCの番組で起きた被爆者嘲笑問題を、みんながいっせいに取り上げた遠く彼方で、さざ波のように私をちょいと押したのです。

あ、友だちの展示の手伝いで帰れなくなって、ウチに泊まった時、さかぎし君は小学生の男の子の匂いがした。



2010年11月8日(月)

昨日、おとなりに住む7歳の楽菜(らな)ちゃんがスタジオに来た。お母さんの帰りが遅かった時、仕事場であずかったことがある。

「あの、おおきいのが浮かんでて、ちいさいのが沈んでた。あれはよかったね。」一瞬、何のことか分からなかった。あ、去年、静岡アートギャラリーの「この場所で」展に出品した“bathroom”のコト……展示前にここにあったのを、覚えてたんだ。そっか、楽菜ちゃん、あれ、おもしろかったんだ。

水の底へと沈んでいくように、私の心が静まり返った。

昨日で、仕事場と自宅・ギャラリーを兼ねたこの場所へ移って、3年。エサシトモコ展も最終日。意外にも、小さいはなこさんを注文する方が多かった。自分を、娘さんをモデルにしたら、どんなはなこさんになるんだろう?お隣の由佳さん「7歳の楽菜がずっと、いるんでしょう?お嫁に行く時にもたせたい。」梶山さんは、「還暦のお祝いにわたし、自分につくってもらおうかな」坂の上に住む大石さんは、閉める直前にやって来て「やっぱり、お母さんに編んでもらったセーターで作ってほしいから」と写真を撮り直しに来た。会期中、何度も足を運んでくれたエサシさんとの会話も、keyだったと思う。

わたしがここに在ることは、作品を美術家として発表するだけではなかった。スーパーの帰りにふらっと38STUDIOへ寄ってほしい。美術とヒトの暮らしの垣根を低く、わたしをとおして伝えられるものがあると思ったから。

夕方みえた2組の女性がともに、「本原さんの作品もまた、見たい。」と。ずっと外での発表ばかりで、ギャラリーは年に2〜3回しか開けてなかった。引っ越して、3年。少し根付いた今、ギャラリーの在り方を見直してみよう。

現代美術は唯一、今生きている作家と対話ができる、すばらしいもの。

わかるかな?底に、ちいさな焼いたカップが沈んでる。

2010年11月1日 晴れ

I hear you.「きこえてるよ。」このコトバが好き。I listen to you「ちゃんと聴いてますヨ」“hear”は、自然に耳に入ること。“listen”は、注意して耳を傾けて聴くこと。

エサシさんとよみがえるのメンバーによるワークショップが昨日、スノドカフェで行われました。眼をつぶり、周りの音を拾って言葉にしてみる。私の耳には入らなかった靴音をひろった女性がいた。それぞれが自分の聞こえた音を読み上げると、詩を読んでるみたい。参加した竹下さんから「音探しが楽しくて、今やりながら帰っています。車のとおりぬける音が意外と爽やかです」と、メールが来た。そうだ、環状線近くのマンションに住んでいた頃は、雨が降り出したのを、車が駆け抜ける音で知った。

38スタジオはヒト一人が通れる程度の細長い回廊のギャラリーです。ここに、スピーカーのエンジニアをしている中小路さんが来たとき、「人間は、自分の声の反響の仕方でその空間の大きさを知る。こんな狭い通路でも圧迫感を感じないのは、天井が高くてspacyだと読み取ってるからだよ。」

夕べはお風呂でいろんな音が自然と、耳に入った。

生物として自分を取り巻く環境を知るのに、音は大切な手がかり。たぶん、生命を守ることにもつながってる。牛は、外敵がこわいから3時間しか眠らない。私がイヤホンで音楽を聴かないのは、気が小さいからかな?あ、そのわりに、夫のいびきがうるさいから耳栓して寝てる。いちばん、危険じゃん!

聞きたいことを聴きたいように、聞いてたかも。自分もその環境のなかの、1つ。Being nature to be a part of it.

関連記事:「意味のない音」

2010年8月26日 晴れ

2009年の正月からとりあえず、毎日コトバに残すことを続けようと始めたはずの日記。けど、5月31日であっさり終了。たったの半年。初めに、自分のための「メモ書き」だと言ったのは、公的な場に署名付きで書くことへの口実。恥をかく前に、面倒が起きる前に、逃げ道作っておいたようなもんだ。

先日からtwitterを始めて、何をしていいんだかわからない中、偶然、今敏監督の訃報を知り、彼の遺書「さようなら」を目にした。アニメ通でない私にとってお名前しかわからない方なのに、読み終えて、感謝の気持ちが湧いてきました。わたしにもやって来るはずの「死」をたのしみにしよう。それぐらいの凄さがある。

人間は書き記して、残すことができる。この素晴らしい能力を磨かずしてどうするよ、私。

2009年5月31日 曇りときどき雨

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きゅうりの花がまだ咲いてるのに、その根元はすでにもうキュウリの形をしてることに驚く。

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小さなポットに3つの苗が入ったスナップエンドウ。ほんとうに大きく育って、お弁当のおかずやらサラダにと、ずいぶんと楽しませてもらった。すごく甘くて美味しかった。今日で最後の収穫をして、今年はおわり。来年もまた育てよう。

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例の芽が出たので埋めてみたじゃがいも、収穫しました。らでぃっしゅぼーやのじゃがいもで赤ちゃんのこぶしぐらい小さなものだったけど、10倍返ししてもらった。種芋じゃなくても、できるんだね。親いもがらでぃっしゅぼーやだったせいか、ただ茹でていただいたら、甘くてとても美味しかった。

「土を遊ばせるなんてもったいない」父の同僚が言った言葉は、名言だ。

2009年5月23日(土)晴れ

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ポン次、家猫9年目にして、狩りをしました。

連休中、実家に預けたところ、あちらの老猫が猫缶を食べているので、味を覚えてしまい、ウチに戻ってからも「カリカリはいやだぁー、缶を出せぇ」と半ばハンガーストライキを決行していた、ポンちゃん。

1階で仕事をしていると、ドツターンとすごい音。寝ぼけてソファーから落ちたか…と、無視。お昼に上へあがると、バルコニーに鳥の羽根と足。翼に黄色い羽のある鳥…。

これまで外に出たこともないし、バルコニーに出ても家の中を見てただけ。知らない男の人がウチに入ってきただけで、びびっておしっこ漏らしてた、ミラクル臆病なポン子。
ある意味、見直した。

2009年5月19日 晴れ

6月13、14日にオープンスタジオをやろうと思う。
Open Studioとは、作家が自分のアトリエで作品を公開することです。イギリスの友人たちは年2回くらい、行っている。作家がスタジオに人々を招く場です。

そこに向かって、法月さんという女性に先月から手伝いに来てもらっている。ヒトが入ると、空間は突然パブリックなものとなる。とりあえずの場所、その場しのぎの物はノイズだ。
使いにくいと思っているところは見苦しく、モノがぴったりの場所に納まっていれば、他の人が見ても迷わない。
機能的な空間とは、必然的に美しいものだと痛感する。

空間のスタイリングは、いかに心地良くできるか検討し尽くせばよいのであって、使い手が年齢を重ねれば、使い勝手も変わってくるだろうから、決めつけず、いつでも柔軟に変われるようでありたい。

これで、完璧はない。いつも、始まり。

2009年5月17日 雨

残りの人生、どうしよう?とつぶやいた自分にびっくりして眠れなくなったのが、37歳のある晩。
それまで、これからどうしよう?だったのが折り返した!と思って、あせった。同時に、まだ半分?まだこの倍あんの?と思うと、もう少しゆるゆる行こうとも考えた。
実際のところ、日本女性の平均寿命86歳なので、折り返しは43歳。86平均ってことは、余裕で90〜100歳の方がいらっしゃるというコト。長生きしたら、オモシロソウだから長寿世界一めざそう!とも思うが、今はとつぜん明日がないってコトもある。

と、ゴミを片付けながら思ったの。うち、生ゴミはリサイクラーで堆肥にするし、雑紙も分けて出すのに、それでもこんなにゴミが出る…どっかで限界が来るね。それに立ち会うの、めんどくさいって思っちゃったところが、折り返してるか…。いかん。

2009年5月14日 晴れ 初・蚊に刺され、初・蝉の声聞いた…気がする

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<生マッシュルームのサラダ>

生のホワイトマッシュルームをスライスし、サラダ菜と青じそドレッシングでいただくと、ほんとに美味しいです。生でキノコってあまり馴染みがないかもしれないけれど、お試しあれ。くれぐれもサラダ菜と、青じそドレッシングで。

2009年5月13日 晴れ

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グリンピースごはんを炊いたとき、ひとつだけさやが黄色くなっていて、中の豆も芽が出かかっていたので、水に浸したティッシュにはさんでおくと、4時間で芽がニョキッと出たため、土に埋めました。

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埋めてから、ちょうど1週間。春が旬のグリンピースは、このまま伸びて実が生るのかわかりませんが、見守る予定。
2月12日に、芽が出てしまったじゃがいもを埋めた件ですが、下記のように花も咲き、6月初旬には収穫の見込み。種芋じゃなくても、ちゃんと生るのか…?日々是実験。

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芽が出るかどうかもわからずに、埋めたため、株間が20cmしかなく、たいへんな混み合いようです。押し合いへし合い、じゃがいもの森。調べたら、じゃがいもは40〜70cm、株間を空けたほうがよいらしい。

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