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Think about a sink.

2015年05月25日

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土の性質は変わっていない。焼き物はすべて、人工物。
陶器の形は、その社会を反映する。

2013年11月、このシンクを背負って新橋のギャラリーいそがやi・スペースから芝浦の下水処理場まで歩きながら「これ、なんか意味あんのかな?」って、呟いてた。休憩をしたカフェで出会った男性に「それ、上水と下水の境目だね。」って言われて、びっくりした。上水が来て、下水管に流れる仕組みがなければ、シンクなんていらない、とギャラリーで使った水がたどる見えない下水の道を歩いたけれど、シンクを境に上水が下水になる、なんて考えてもみなかった。下水処理場にたどり着いたとき、喉がカラカラになって「アタシも上水と下水の境目じゃん。」て、ずっこけた。

「あたし、何やってんだろ?」と、韓国のセラミックビエンナーレの会場を出て歩きながら、やっぱりつぶやいた。ここでも、偶然、話しかけてきた男性が、20年前、神戸の震災時に日本で下水管工事の仕事をしていて、「韓国は今、20年前の日本の技術で下水工事をしてるの。」と笑いながら言った。2013年に都内の下水処理施設を取材したとき、鉄筋コンクリートの下水管は、人間の体から排出される硫黄により発生する硫化水素ガスで劣化がひどく、管の内側を硬質塩化ビニルで巻いて修繕する作業が行われている。日本が誇るこの技術は今後、海外に輸出される予定だから、撮影禁止!と説明を受けた。

今、コンクリート管の設置が行われている韓国も、いずれ同じ問題に直面するはず。わかっていたら、先進国である日本はそのこと、教えなくていいの?下水が処理されてゆく先の海に境界はないよ。

日本では今、新規の設置に鉄筋コンクリート管は使わず、硬質塩化ビニール管を使用するそう。「それは劣化の可能性はないんですか?」という質問に、担当者が「今のところは。」と答えたあと、「そう考えると、陶製の土管は劣化しない。」と呟いたことを思い出す。

都内のコンクリート管の劣化がひどいのは、東京オリンピック前に突貫で作って、本来は使ってはいけない海の砂を使ってるからだと、聞いた。塩分が鉄筋を喰うから。

いま、オリンピックに向けて、ものが作られているけれど、
目の前の利益と穴をふさぐ仕事、しないでね。(って誰に…。)

韓国セラミックビエンナーレの展示と映像はこちら

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